2023/1/11
株式会社CloudFit 代表取締役
瀬沼 裕樹
ECサイトでは商品・在庫・注文など様々なデータがあり、手動で変更を加える際に間違った情報を入力してしまうなど、データに不備が発生する可能性があります。
Shopifyを始めとするECプラットフォームでは、プラットフォームの中のデータを管理することは出来ますが、外部の様々なデータソースを統合して一括で管理することは基本的に出来ません。対外的にもWMSなどの外部データも統合して異常なデータの検知などを行うナレッジは少ないです。
CloudFitではShopifyにおけるストア構築においてどのように異常データ検知を行うのかを検討しました。その結果Modern Data Stackを活用してデータ基盤構築を行うこととしました。
今回の記事ではShopifyにおいて異常データを検知する手法として、Modern Data Stackな構成で実現するデータ基盤アーキテクチャの紹介と、活用していく中で得られた知見を共有します。
"フルファネルマーケティング"でボトルネックを解消し成果を生み出します。
リピート率向上・LTV向上はデジタルマーケティング業務を横断して取り組むことが重要です。LTV向上戦略を策定し、ボトルネックを特定した上で施策提案・実施支援までを一気通貫で行い全体最適なLTV向上を実現します。
新商品をつくる際の初期マーケティングの手段の1つとして、クラウドファンディングが挙げられます。
弊社にて大手クラウドファンディングサービスの1つである「Makuake」で実際にプロジェクトを実施した経験から得られた、プロジェクトを成功に近づけるためのナレッジをご紹介します。
Makuake(マクアケ)はサイバーエージェントの新規事業として生まれた、年間流通総額200億円を超える国内屈指のクラウドファンディングサービスです。
「アタラシイものや体験の応援購入サービス」というコンセプトを掲げており、新しい商品やサービスを始める方の登竜門となっています。
弊社の新規事業として睡眠領域のD2C事業を開始することになり、第一弾商品であるシルクの枕カバーをMakuakeで先行販売しました。周囲の方々の応援もあり、目標を大幅に上回る429%の達成率でプロジェクトを終了することができました。
『就寝中にヘアケア』流通量0.2%の純国産シルクで作ったピローケース|Makuake(マクアケ)
本記事はこちらのプロジェクトで得られたナレッジにもとづいて作成しています。
Makuakeに掲載を申し込んで実際に掲載されるまでには最短でも1ヶ月程度のリードタイムが発生します。掲載準備のために様々な作業が必要となり、掲載が遅れがちであるため、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
1週目:初回打ち合わせ、各種書類の提出
2週目:プロジェクトの初回申請、一次審査
3週目:一次審査の修正・レビュー、最終申請
4週目:プロジェクト公開
Makuakeには「All or Nothing 」と「All in」の2種類の目標設定方式があります。
Makuakeの目標達成結果に関わらず商品の提供が決まっている場合は「All in」、そうでない場合は「All or Nothing」を選択することをおすすめします。
1. All or Nothing 型
予め設定した期間内に目標金額を達成することで、プロジェクト実行者は期間終了日までに集まった応援購入額(弊社手数料を除く)を獲得できます。
万が一、目標金額に到達しなかった場合、サポーターからの申込みはキャンセル・全額返金され、リターン(商品)も発生しません。 また、弊社手数料についても頂戴致しません。
『最低いくら集まったらこれができる』という必要な資金が明確なプロジェクトに有効です。
2. All in 型
目標金額に達成しなかったとしても、プロジェクト実行者は期間終了日までに集まった応援購入額(弊社手数料を除く)を獲得できます。 また、必ずサポーターへリターンのお届けが必要です。
目標達成しなかったとしてもプロジェクトが実施でき、リターンのお届けが可能な場合のプロジェクトに有効です。
弊社で実施した「CHIYU」はMakuakeの結果に寄らず販売することが前提となっていたため、「All in 型」を選択しました。
参考:Makuakeヘルプ - All or Nothing 型、All in 型とは何ですか?
Makuakeでは販売金額の20%が手数料になります。また、販売価格は早割・超早割という形で定価の20~30%の割引を適用した価格設定を行うことが一般的であるため、最終的に手元に残す金額を把握したうえで掲載するようにしましょう。
例:¥10,000の商品を早割20%で掲載した場合
Makuakeでの販売金額:¥10,000 × 80% = ¥8,000
販売時の収入:¥8,000 × 80% = ¥6,400
一般的なマーケティングと同様、Makuakeでも他社分析は非常に有効です。
目標達成率が高いプロジェクトはもちろんですが、目標達成率が低いプロジェクトも同時に分析すると差別化すべきポイントが分かりやすくなります。
掲載予定の商品と類似する商品で目標達成率が大きいプロジェクト
掲載予定の商品と類似する商品で目標達成率が低いプロジェクト
Makuake全体のうち、直近3ヶ月で目標達成金額が大きいプロジェクト
他社分析を行う際は。スプレッドシートでサムネイルと合わせて一覧化すると、比較がしやすいためおすすめです。スプレッドシートのHYPERLINK関数とIMAGE関数を組み合わせると簡単に画像付きの一覧を作成することができます。
プロジェクトの掲載を行うにあたり、商品の詳細情報を入力する必要があるため、事前に以下のような商品仕様を確定しておく必要があります。
商品名
サイズ・色などのバリエーション
販売価格
素材・原料・成分
製造元
実際にプロジェクトを進める際には様々なタスクが発生するため、事前に体制を整えてプロジェクトを開始するようにしましょう。また、プロジェクト開始時の初動を担うのもプロジェクトメンバーであるため、多くの方を巻き込むことがプロジェクトの成功に繋がります。
Makuakeではプロジェクトの申し込みを行った人のアカウント = プロジェクト管理用のアカウントとなってしまいます。一方、複数人で作業することも多いため、プロジェクト用の共有アカウントを作成してから申し込みする方が無難です。
プロジェクトの入稿作業で最も時間がかかるのがプロジェクトページの検討です。
Makuakeの入稿画面が使い勝手が悪く、都度入稿して画面イメージを確認するのは非効率なので、FigmaやAdobe XD等のデザインツールで入稿内容を作成するのがおすすめです。
通常のLPと同様、Makuakeでもビジュアルでイメージを伝えることがプロジェクトを成功させる重要なポイントです。一方、商品の企画フェーズでは商品画像そのものが存在しないことも多いため、サンプルを製造しておく、デザインパースをつくる等の方法でアウトプットがイメージできる素材を集めておきましょう。
MakuakeではCSSが使えないため、テキストにできる装飾は限定的です。そのため、テキストも含めてデザインを適用したい場合は画像化して入稿を行います。注意点としては画像あたりのサイズ上限があるため、長い画像は複数に分割して入稿が必要です。
弊社で実施したプロジェクトも複数の画像を組み合わせてページが構成されています。
『就寝中にヘアケア』流通量0.2%の純国産シルクで作ったピローケース|Makuake(マクアケ)
数多くのプロジェクトが掲載される中で、ユーザーに目を止めてもらうために、プロジェクトページは以下の3点を意識して作成する必要があります。
「何」のプロジェクトであるかが分かること
「何が良いのか」がわかること
リターンとして「何が届くのか」がわかること
これらのポイントを踏まえて、弊社で実施した「CHIYU」のキービジュアルでは以下のような表現になっています。
品質表示や薬事に関わる表記にはエビデンスの提出が必要となります。また、細い表現についても指摘が入り、表記によってはNGとなるケースがあるため、文言を作り込む前に入稿画面の自動レビュー機能を使用して、変更が必要な箇所を把握しておきましょう。
入稿画面でSNSの公式アカウントを登録する欄があります。公式アカウントはプロジェクト開始後の拡散に必須となるため、必ず事前に作成して登録するようにしましょう。
登録したSNSアカウントは、Makuakeプロジェクトページ内の実行者欄に表示されます。
プロジェクトページにおける商品の並び順は価格が安い順になります。一般的に先頭の商品が一番見られやすい傾向があるため、訴求したい商品が先頭になることを意識しながら価格設定を行いましょう。
商品に色やサイズのバリエーションがある場合は、商品の入稿時に設定を行うことで購入時に色やサイズの選択が表示されます。任意の入稿項目となっており、見落としやすいので設定漏れが無いように注意しましょう。
公開日もプロジェクトの重要な要素の1つです。公開日を決める際に考慮すべき観点を以下に記載します。
ターゲットが見やすい曜日・時間帯か
プロジェクトメンバーや周囲の方がシェアしやすい日程か
プロジェクトを意味づけできる日か(例:シルクの日)
直近で類似かつ目標金額が大きいプロジェクトは存在しないか
世間的に話題を呼ぶ/大きなイベントが予定されていないか
入稿の追加・修正ができるのは公開日の1週間前までです。公開予定の1週間前には掲載内容を確定する必要があるため、入稿のスケジュールを作成する際には注意が必要です。
プロジェクト開始後の掲載内容の修正は原則NGとなっています。例外的に修正する場合もMakuakeに連絡して、Makuake側での修正となるため、数日のリードタイムが発生します。
プロジェクト開始前に十分にチェックを行ったうえでプロジェクトを公開しましょう。
Makuakeをはじめ、クラウドファンディングでは公開初日の達成率がプロジェクトの成功を左右すると言われています。
実際、我々のプロジェクトも初日に最終的な達成金額の30%強が集まっていました。
他の目標達成しているプロジェクトを見ても、以下の流れが鉄板となっているため、この形に持ち込むための準備が成功に直結していると言えそうです。
SNS等で公開日を告知して、初日の購入者を募集
初日に目標金額を達成
早期に目標金額を達成したことをアピールポイントに追加
#20で進めた際に想定よりも早く目標達成に到達するケースがあるため、達成を広報する文言は事前に決めておくと対応がスムーズです。セカンドゴールを設定しているプロジェクトも多いため、過去事例も参考して文言を検証しましょう。
CloudFit、Makuake公開初日で目標金額を達成!『寝ているだけでヘアケア』流通量0.2%の純国産シルクで作った枕カバー
商品のターゲットにも寄りますが、平日の日中は多くの消費者が仕事や家事を行っており、購入が発生しづらい時間帯です。実際、弊社この考慮が抜けており、月曜日の12時にオープン・SNSでの拡散を開始したのですが、購入が増加し始めたのは夕方以降でした。
クラウドファンディングの特性上、一期一会になりやすく、一般的なECサイトと比較してページへ再訪問して検討するケースが少ないため、商品の購入意欲が高まりそうな時間帯を狙って公開時間を設定する方がベターです。
プロジェクト期間中にMakuakeのメルマガで何度か商品が紹介されるタイミングがあります。
過去プロジェクトの傾向を見る限り、①プロジェクト掲載を開始してから7日後、②プロジェクトが終了する7日前に掲載されているケースが多く存在しました(※同時期に掲載されたプロジェクトが多い場合は前後するケースもあるようです)。
このタイミングに合わせてSNSや活動レポートで発信をすることで、メルマガの効果を最大化できる可能性があります。
プロジェクト期間中はTwitterで商品名やプロジェクト名がシェアされているかモニタリングしておくと、クイックにコメントやリアクションを行えます。
ZapierやIFTTT等のiPaaSサービスを活用すると、商品名やプロジェクト名がシェアされた時に自動的にSlackやメールに通知することができて大変便利です。
Twitter Integrations | Connect Your Apps with Zapier
プロジェクト実行者に提供される管理画面ではPV数や申し込み率を確認することができます。ただし、データ反映が翌日となっており、リアルタイムの確認はできないため、あくまでも振り返りの用途になります。
当日の申し込み数は申し込み時の通知メールやサポーター一覧を集計することで把握できます。
懸賞ふくろうというTwitterアカウントに依頼すると、Makuakeのプロジェクトを無償で紹介を行って頂けます(※2022年7月時点)。
我々も実際にご紹介を頂きましたが、大変ご丁寧にご対応頂きました。SNS拡散の1つの方法としてご検討頂くと良いと思います。
活動レポートは購入者向けの進捗共有やお知らせが主な目的ですが、新着の活動レポートはMakuakeのトップページにも掲載されるため、若干の流入に繋がる可能性があります。
事前に活動レポートの掲載日程を決めて、コンテンツを具体化しておくと、効率的に運用ができるのでおすすめです。
プロジェクトページの「応援コメント」には様々な応援の声が寄せられます。こまめにリアクション・コメントすることで、サポーターの方のエンゲージメント向上を図りましょう。
プロジェクト終了日は18時に一律でプロジェクトの掲載が終了します。最終日は最後の盛り上げを実施するタイミングなので、終了時間を踏まえて、SNSの拡散や広報のスケジュールを検討しましょう。
先日、Makuakeの商品を購入できるECサイト「Makuake STORE」が発表されました。
Makuakeで目標達成したプロジェクトは、プロジェクト掲載終了後も「Makuake STORE」で販売を継続することができます。初期費用なし・手数料20%というクラウドファンディングと同様の料金体系であるため、リスクなしで商品販売の面を広げることができます。
リアルなプロダクトを必要とするビジネスでは少なからず初期投資が必要になります。一方で、一度つくってしまうと仕様変更が難しいリスクが付きまとうため、最小限の投資で商品の価値を検証するためにはMakuakeは最適なプラットフォームです。
商品の検証精度を高めるために、本記事でご紹介したポイントをご活用いただけると幸いです。
また、CloudFitではECやD2Cの事業に関する事業立ち上げ、ECサイト構築、デジタルマーケティング、データ活用など横断的な事業支援を行っています。無料での壁打ちも承っておりますので、ご興味がある方はお問い合わせからご連絡ください。
"フルファネルマーケティング"でボトルネックを解消し成果を生み出します。
リピート率向上・LTV向上はデジタルマーケティング業務を横断して取り組むことが重要です。LTV向上戦略を策定し、ボトルネックを特定した上で施策提案・実施支援までを一気通貫で行い全体最適なLTV向上を実現します。
資料請求
CloudFitの会社概要資料をダウンロードいただけます。弊社のサービスや実績の詳細についてご興味がある方はぜひご覧ください。
会社概要をダウンロードする
keyboard_arrow_right