CVR(コンバージョン率)とは?計算式や改善方法まで解説
2024/3/13
Webマーケティングの業務に携わっている人の多くは、「CVR」という言葉を説く耳にするのではないでしょうか。CVRとはどのようなものなのか。また、CVRを改善するためにはどのような施策を考えなくてはいけないのか。今さら聞けないCVRの意味と、改善するための5つのポイントとまとめて紹介します。
CVRを改善するコツの前に、まずはそもそもCVとは何なのかを理解しておきましょう。Webサイトを運用する際、どんなサイトにも何かしらの目的があるはずです。認知の拡大、商品の販促、会員登録の促進など、その目的はさまざまです。これらの「目的」のように、サイトの目標達成となるアクションをページの訪問者にとってもらうことを「CV(コンバージョン)」といいます。
CVは、サイトを運営している企業が何を目的にするのかによって定められます。そのため、Webサイトだからといって一概にCVが同じになるわけではありません。Webに広告を出している場合に想定できるCVとしては、広告の閲覧、広告からの流入による会員登録、広告からの流入により購買、広告収入の発生などが挙げられます。
いよいよ本題のCVRですが、これは英語の「Conversion Rate(コンバージョンレート)」を略したもので、日本語に訳すと「顧客転換率」となります。CVRは、サイトにアクセスがあった際、それらのうち登録、購買、申込など、CVに繋がったのはどれほどの割合なのかを指します。
CVRは、一般的にサイトへの全体の訪問者に対してCVにつながった人数を示すものです。しかし、母数を変更し、サイトへの全体訪問者ではなく、サイト内の特定のページにアクセスした人にすることもあります。全体で見たらCVRが高くても、特定のページからのCVRが低いことがわかれば、どのページの改善が必要なのかも自ずと見えてきます。そのため、CVはWebサイト・ページごとに設定することをおすすめします。
CVRを求める際は、以下の計算式を用います。
【CVR=コンバージョン数÷サイト訪問数(セッション数)×100】
CV数が200、サイトの全体訪問数が20,000の場合、CVRは1%となります。CVRの数値が高くなればなるほど、成果を効率よく挙げられているということになります。
CVRとよく似た指標にCTRというものがあります。CTRとは、英語の「Click Through Rate」を略したもので、日本語に訳すと「クリックスルー率」「クリック率」などになります。CTRは、表示された広告や検索結果のうち、その広告や結果が実際にクリックされた回数の割合を示すものです。CTRを算出する際の計算式は以下です。
【CTR=クリック数 ÷ 表示回数 ×100】
広告が200回表示され、そのうち10回クリックされたとすると、CTRは以下のように求められます。
【10(クリック数)÷ 200(表示回数) ×100=5%(CTR)】
例えば、ある広告が200回表示され、そのうち10回クリックされたとなると、CTRは、5%になります。
CVRを獲得するためには、その手前の段階として、クリック率=CTRを上げる必要があります。そのため、この2つは密接に関係してきます。両方を測ることで、広告の表示や内容、デザインなどのどこに課題があるのかを見つけられるでしょう。
たとえばCTRが低くCVRが高い場合、広告の内容はターゲットに合っているものの、広告を表示する場所が適切でなかったり、広告のデザインが惹かれるものではなかったりなどの原因が考えられます。このような原因を突き止められたら、表示場所やデザインの改善を図る必要があります。
そもそも、CVRを追いかけることはなぜ重要なのでしょうか。CVRは、特定のページの「課題」と「対策」を把握するために重要な指標です。具体的になぜ重要な指標とされているのかひとつ例を見ていきましょう。
【サイト例】
セッション数 | コンバージョン数 | CVR | |
---|---|---|---|
サイト全体 | 50,000 | 1,000 | 2.0% |
サービスページA | 2,000 | 50 | 2.5% |
サービスページB | 2,000 | 10 | 0.5% |
このようなサイトがあった場合、サービスページAはサイト全体と比べてもCVRが高く、効果的に流入したユーザーの関心に対して訴求ができていることがわかります。そのためサービスページAの場合には、セッション数が増えるほどコンバージョン数を増やすことができます。そんなサービスページAに対しては、SEO順位の改善や流入経路の拡大などの、セッション数を増やす施策が特に有効です。
それに対してサービスページBは、サイト全体と比べてもCVRが低いです。そのため、サービスページAと比較してセッション数を増やすための施策の効果は低くなってしまいます。このサービスページBでは、CVRを向上させる施策がセッション数を増やすよりも特に有効となります。
このように、CVRを計測することで、その後見るべきGoogle Analyticsなどのアナリティクスの指標が大きく異なります。次に行うべき対策方針で「セッション数を増やすべきか」「コンバージョンまでの誘導を効果的に行うための施策を考え直すのか」など、やるべきことを明確にできるのです。
自社サイト内のページを比較する中でCVRが低いページが見つかったり、競合サイトと比べて自社サイトのCVRが低いことがわかったりしたら、それがなぜなのか原因を突き止めましょう。著しくCVRが低い場合には、以下のような5つの要因が考えられます。
広告の種類によるもの
市場トレンドによるもの
競合の状況によるもの
ユーザー目線に立ててない
広告ターゲティングが不適切
環境要因で自社では改善できない場合もあります。しかし、サイト要因なのであればCVRを高められるでしょう。5つの要因について、それぞれ詳しく解説します。
CVRが著しく低い要因の1つ目は、広告の種類に原因がある場合です。
例えば、検索広告は明確なニーズがあるユーザーが多く流入するため、CVRは高まる傾向にあります。それに対してディスプレイ広告は、そのサービスや商材に直接的に興味がない潜在的なニーズを抱えたユーザーが多くターゲティングされているため、検索広告と比べるとCVRは下がる傾向にあります。
サービスや商材にもよりますが、広告の種類は傾向としてCVRに影響している可能性があります。
季節要因やトレンド要因など、「市場トレンド」も著しくCVRが低い要因のひとつです。これは、商品によって需要が上がる時期と下がる時期があるからです。
例えば、エアコンや扇風機などは暑くなる春から夏にかけて需要が増します。そのため、家電量販店のECサイトなどでエアコンや扇風機などのページのCVRが上昇する傾向にあります。逆に、冬季はCVRが下がりやすくなってしまいます。
市場トレンドが要因だった場合、自社でCVRをコントロールするのが難しいです。トレンドが上がる時期がわかっているのであれば、トレンドに入ったタイミングを狙ってパフォーマンスを高められるように準備を進めておくことが重要です。
競合サイトのCVRが向上すると、自社サイトのCVRが下がる可能性があります。
競合サイトのCVRが高くなると、「商品を購入したい」と考えているユーザーの母数は大きく変わらないため、ニーズを抱えたユーザーを奪われてしまい自社サイトのCVRが下がってしまいます。
そのため、自社のCVRが著しく下がっている際には、競合となるサイトの訴求力や誘導方法に変化がないか定期的にチェックするようにしましょう。
CVRが低くなる要因として、ページ内でユーザーの目線に立っていない訴求になってしまっている可能性があります。
CTAの文言や広告文がユーザーのニーズを捉えられていなかったり、ランディングページのデザインがわかりづらかったり、ユーザーにとって利便性が低い導線になってしまっている場合、CVRが下がってしまうでしょう。
例えば、サービスの不安を解消したいユーザーに対して、いきなり資料ダウンロードの導線を押し出してしまうようなケースです。ユーザーは資料ダウンロードがしたいわけではないため、離脱してしまう可能性が高まります。
ページを訪問してくれるユーザーが何を求めているのか、ニーズに対してページは役割をはたせているのか吟味し、ユーザー目線に立ったページ作りをすることでCVRを改善できるかもしれません。
ネット広告のターゲティングが不適切であると、CVRが下がる傾向にあります。
例えば、女性読者が多いメディアに男性向けの商品を掲載しても、高いCVRは見込めません。また、広告の訴求内容とランディングページがあまりにもかけ離れた内容になっていると、CVRが低くなってしまいます。
CVRを改善するためには、どのようなことをすれば良いのでしょうか。5つ、CVRを改善するためのポイントをまとめてお伝えするので、まずは1つ取り組んでみてください。
CVRを高めるための1つ目の施策は、CVのハードルを下げることです。そのためには、CVの対象となる行動の設定の変更が求められます。
例えば、いきなり「クリックをして購入をしてください」といわれても、ユーザーは抵抗を感じてしまいます。しかし、それを「無料で資料を請求」にするだけで、大幅に抵抗を軽減してあげられます。
このようにCVを「購入」から「資料請求」や「無料見積もり」に変更することで、CVRの改善が期待できます。CVRの改善をすることで、ユーザーに見てもらうきっかけを増やし、本来の目的である購入につながることもあります。
CVRを高めるためにできる2つ目の施策は、ターゲットやキーワードを明確にすることです。
ターゲット設定している層と、実際にサイトを訪れるユーザーがかけ離れてしまっていると、CVは得られにくいです。ターゲットの性別、年齢、地域などを明確にし、サイトへの流入設定を変更して精密なターゲティングをするようにしましょう。ターゲットやキーワードを設定する際には、CTRと一緒にデータの確認をしてみると良いかもしれません。
CVRを高めるための3つ目の要素は、ランディングページというユーザーがサイトに訪問した際に最初に見る「入り口のページ」の改善です。ランディングページはサイトを改善する計画がある際には、必ず分析しなくてはいけないので覚えておきましょう。
ランディングページはサイトの顔ともいえる存在です。そのため、「サイトを閲覧し続けるか否か」の最初と分かれ道になるのです。このタイミングでユーザーの意識を引きつけておかなくては離脱されてしまいます。ここでの離脱率がどれほどなのか、なぜ離脱されやすいのかは徹底的に調べておくべきでしょう。
離脱されにくくするためにも、ユーザー視点に立っての改善が必要です。わかりやすさや、ポイントをシンプルに抑えるなどは、離脱率を下げるために必要な最低限のことです。
企業側としては、どうしても伝えたいことを盛り込みたくなるでしょう。しかし、ユーザー側として欲しい情報のみを簡潔に伝えた方が、結果的に読み進めてもらえる可能性が高まります。
サイトの導線や動線もCVRを高めるためには重要な要素です。
導線:Webサイトの作り手がユーザーを導く経路
動線:ユーザーが実際に動いた経路
Webサイトを運営している側は、CVを意識して「ユーザーがCVするまでの導線」の設計を行います。しかし、「実際のユーザーの動線」が、意図した動きと同じでない場合もあります。想定していた経路と実際の経路に差異がある場合には、サイトの改善が必要になります。データをGoogleアナリティクスやヒートマップ(ユーザーの見ている箇所やクリックしやすい場所がわかるツール)などで、ユーザーの実際の行動を確認しながら、PDCAを回していきましょう。
CVRを上げる5つ目の要素は、CVの手前のページの改善です。
CV手前のページで離脱する人が多い傾向にあるのなら、情報入力フォームなど、CVの手前のページの見直しをしましょう。CVにつながりそうであっても、入力情報が多いと面倒に感じられてしまい、離脱につながってしまいます。結果的にCVRも落ちてしまうでしょう。
ユーザーが面倒や苦痛に感じない程度に必要情報の入力量を抑え、「これなら入力しても良いな」と思わせられる設計が重要です。
ページへのアクセスや広告表示の総数に対する成果の発生率である「CVR」は、Webメディアや広告の運営において、最重要ともいえる要素です。
Webサイトを運営するにあたり、CVの増加はひとつのゴールとなります。CVを増やすためにもまずはCVRを測定し、問題点を探してみてください。問題点が浮き彫りになれば、5つの施策のどれに取り組めばいいかも見えてくるでしょう。
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